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2008年11月19日 (水)

車お宝話(104)日本初の公認チューニングカー・Ⅱ

    

前の章で「それまでの外車屋から未知の世界へと深く入って行く事に」と
書いたが、全くその通りで、それまで僕が映画でしか見た事がなかった
ような未知の世界・・・!

その自動車メーカーの様々な光景に、トップダウンで特別待遇の若い僕が
遭遇できるのだから、こんな貴重な経験は滅多にできるものではない・・・

細かくは触れないが、日産自動車との取引コードにしろ、何にしろ、普通
は何年もかかる事が、僕の場合は特別で、何事も超特急で物事が進んだ・・・

そのうえ、まだ未発表だった「スカイライン・2ドア・スポ-ツクーペ」の
開発のために、外部の責任者としての立場まで与えてくれた・・・

その為に厚木にあるニッサン・テクニカルセンター(NTC)に、何度も足を
運んだ思い出がある・・・

見た事もないようなNTCの広大な敷地内には、移動用にナンバーのない
バスが走っているのだから、今迄の自分の世界とはスケールが違い過ぎる!

その当時から部屋に入るにはカードがいるし、特に次期モデルの開発室に
入る時なぞ2回、3回とチェックを潜るのだから、まるで007の映画だ!

スカイライン・2ドア・スポ-ツクーペの試作車を初めて見せられた時も、
同様の儀式で入室したが、初めてみるクーペは4ドアとは違った雰囲気で、
中々良くまとまっていると感じたが、個性的ではなかった・・・

だから僕たちが起用されたのだろう・・・!

とは言っても、もう最終段階での起用だから、大幅な変更は不可能だった。
大きく分けて僕がインテリア、解良君が外回りを担当したと記憶している!

クーペのスピードメーターの赤色も、シートの生地も僕が決めた事は覚え
ているが、幾つかあったその他の変更点は、忘れてしまっている・・・!

僕と解良君が、臆することなく与えられた仕事を敏速に熟していったもの
だから、多少驚かれてしまった事の方が、良く憶えている・・・

通常は1か月掛かる決済を、その場で決めてしまうのだから当たり前だが!

このとき思った事は、決済を早くすればもっと効率が上がる、上れば開発
期間が短縮できる、短縮できればコストが下がると!

この決済スピードのことは、親しかった本社の開発担当重役の副社長にも
話したし、後にNTCの親分になった友人にも話して、実行もされた・・!

今では当たり前のことだが、やはり外部の空気(意見や感想)は重要だと!

外部の責任者としての立場を与えられた水面下には、不評だったハイソ的
な軟弱イメージを一新すべく「ハルトゲ・スカイライン」の構想があった!

とは言っても、お堅い運輸省(当時)相手の自動車メーカーが大幅に馬力
を変えたり、排気量を変更することなど、当時は不可能に近かった・・・

精々エクステリアとインテリアで、ハードなイメージを出すしか手はない!

そこで「ハルトゲ・スカイライン・HS30」を独自に開発して、メーカー
製「ハルトゲ・スカイライン」のイメージをバックアップする事を考えた・・・

一応このときに発表したスペックと内容を、そのまま紹介しておこう・・!

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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「輸出仕様のRB30S(3.0OHC)のブロックに、RB20DEの
 ツインカムヘッドを装着した直6ツインカム、2.960ccを搭載した。
 メカニカルチューニングと、CPの燃料系変更等によりノーマルアスピ
 レーション(NA)のまま230馬力を達成しました。」
 
「外観はサイドストライプ・ホイール・リアスポイラー・エンブレムなど、
 足周りもハルトゲパーツにより上品でヨーロピアンな味付けが施されて
 います。」

「トミタ夢工場は強烈な個性を持つコンプリートカーを製作し、近い将来
 小さな自動車メーカーとして公認される事を目標とし、既に日産自動車
 との共同プロジェクトとして、スカイラインとサニーの2車をハルトゲ
 及びトミーカイラバージョンとして、ディラーからデビューさせた実績
 を持っています。」

「その集大成として完成させたのが、ハルトゲスカイラインHS30です」

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

11054

  

ざっとこんな内容の発表をしたのだが、公認されることを目標としている
レベルだから、当時の状況から公認される"ハズ"のない「HS30」には、
誰も余り興味を示さなかったのだろう・・・・・

まぁここまでは、そんなに大きな問題には、ブチ当たらなかったのだが、
この辺りから大きな問題が次々と、まるで冬の日本海の荒波の様に押し
寄せて来た・・・!

話は前後してしまうが、「ヨーロピアン・コレクションをよく見てもらえば
お分かりだろうが、ベースはハルトゲなのだから」と前回に書いた・・・

11155

そう・・本来はハルトゲスカイラインだったのだが、執拗な反対の裏工作
に遭ってしまった結果、ヨーロピアン・コレクションとなってしまう・・・

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(ヨーロピアン・コレクションにはプリンス系のラングレイもあった。)

11191

理由は、まずトップダウンでの特別待遇がイケなかった、知らなかった
とは言え、大企業の組織を無視した僕の入り方が、関係部署の人達に悪い
印象を与えてしまっていたのだ・・・

とは言え、既に100人以上の人と会って、名刺交換もしているのだから、
何事もなく順調に進んでいると、当然、僕はそのときまで思い込んでいた。

ところが日が経つにつれ、どんどんと話が先細りになって行く・・・
どしてそうなるのか、何が何やら分からないまま、悩んでいた・・・・!

                                つづく

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1.クルマお宝話」カテゴリの記事

コメント

厳重
僕の大好きなシチュエーションじゃないですか!
行って見てみたいです(笑

しかし、トミーカイラの原点はプリンスだったとは!
それでも、最高の一台だったのですよね?

投稿: あきら | 2008年11月19日 (水) 23時12分

富田さん
はじめてではないでしょうか、富田さんのがっかりしたコメントって。

僕の話はほんのちっぽけなことですが、ちょびっと今回のブログに似た経験をしました。実は先日、ある規模の学会でパネリストをしたんです。発表自体は本当に十分に内容のあるもので、誰しも否定できないもので、どうやっ!ていう感じだったんです。しかし、たまたま、ある重鎮の方の発表された方法に疑問を投げかける発言をしたんです。とたんに、重鎮は怒り狂うわ、座長は僕を無視するわ、てんやわんやでした↓↓↓

あ~、空気読めない自分に嫌気がさしました、とほほ・・・
でも、良い勉強になったなあと思います。
もちろん、その後、重鎮には直接会って誤解を解きました。

もっと社会にもまれないと成長しないですね(^^;;;

投稿: さわ | 2008年11月19日 (水) 23時56分

そうですね~あきら君!
20年以上前の自動車メーカーは結構進んでいましたよ!

まだまだ書くから楽しみに・・・!

投稿: 富田義一 | 2008年11月20日 (木) 12時03分

さわちゃん・・久しぶりです!

「はじめてではないでしょうか、富田さんのがっかりしたコメントって。」・・・そうですね~、経験のないことはいつも悩んでましたよ!

ただ僕の場合は、すぐ解決するというか、すぐに違う方法でまた攻めましたね~。
人生に回り道は絶対にないというのが僕の考えです。
すべて次のステップのための挫折であり、次に進むための肥やしになるのです。

だから自分を鼓舞するために、自然に「奇跡の杖」が必要となり、出来あがったのだと思いますよ!

投稿: 富田義一 | 2008年11月20日 (木) 12時24分

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