車お宝話(107)日本初の公認チューニングカー・Ⅴ
運輸省公認の改造車両となるための書類作成だけでなく、もう一つ大事な
ことは、車のメカ的な要素が充分に魅力的で、満足の行くものでなければ
ならない・・・!
それは、既に「ハルトゲスカイライン」でスペックを発表してしまっている
以上は、それを超えるスペックでなければ、もったいない・・・
何故なら、運輸省と自動車メーカー両方の公認を取り付けた、日本で最初
の改造車両を、オリジナルブランドの「トミーカイラ・M30」として発表
できる、大きなチャンスなのだ・・・
だけどこの当時は、自動車メーカーが造った車を改造などしようものなら、
クレームなど、一切受け付けてくれない時代だったのだから・・・
そんな時代だからこそ、運輸省と自動車メーカー、両方の公認を取り付けて、
最高出力や最高速度を変更することは、大きなインパクトを与え、話題性も
充分に含んでいると云える・・・
だからこのチャンスに、何としても「ハルトゲスカイライン」のスペックを
超えなければ、もったいないこと、この上ない・・・!
ここに、最終的に発表した初代「トミーカイラM30」のカタログがある・・・
その中から、少し歌い文句を紹介しよう・・・
この時代に僕たちが何を考え、何をしたのかを、20年を経た今、考えて
見るのも興味深く、面白いと思うからだ・・・!
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TUNED SKYLINE TOMMY KAIRA M30/3000CC、直列6気筒DOHC、最高出力240PS、
トルク30mkgの実力が、街に出る。・・・・・これがトミーカイラM30だ。
「クルマ好きをうならせるチューンド・カーが欲しい」
自動車を単なる移動手段の道具としてだけ、とらえるのではなく、”自動車
はオーナーの生き様を表現する重要なアイテムである”、というところから
我々の自動車づくりはスタートした。
そこに大手自動車メーカーでは造り得ない個性的な自動車、「チューンドカー」
がクローズアップされてくる。
誰にでも好かれる自動車から、ごく少数の人達にだけ好かれる自動車づくり。
このために我々は、まず素材選びからスタートした。
ベースとなる車両を何にするのか?白羽の矢を立てたのは、あのスカイライン
だった。自動車の原点ともいえる、FR(フロントエンジン・リアドライブ)
でNA(ノーマル・アスピレーションエンジン)であること。
また、Rのエンブレムのもとに、かつてサーキットで活躍したスカイラインに、
新たな冠を与えたいと、考えたのである。
そして何より”乗せられるクルマではなく、乗って楽しいクルマであること”
が重要だった。目の醒めるような走りとスタイリングで、本当のクルマ好きを
うならせたい。
我々の開発のスタートは、そんなシンプルなところから始まっている。
「それはエンジンから始まった。日産自動車の協力を受けて、
部品の安定供給を実現。 3000CC、直列6気筒DOHC」
今回、我々が発表する『トミーカイラM30』が、これまでの俗にいうチュー
ニングカーと決定的に異なるのは、ベースとなる車両をはじめ、各種パーツの
供給が、日産自動車の協力のもとに、保障されているところにある。
違法改造はやらない。アフターサービスを保証する。という基本的な点は勿論
のこと、最大の開発コンセプトに「安全性の追求」を挙げ、それをクリアして
いることで、社会的責任の大きいメーカーの協力を得られた、といえるだろう。
より安全で快適にドライブしていただくために、エンジン出力をアップ。
ただし、いたずらにエンジン出力のみを上昇させるのが目的ではないので、
よりドライバーの感覚に忠実に反応を示す”ノーマルアスピレーション”
(過給器などの補助機器は不採用)エンジンとし、排気量を増やして、
DOHC化している。
さらにパワーとサスペンション・シャーシー性能を、バランス良く向上させる
ことによって基本性能をさらにアップさせることに成功した・・・・・
・・・『トミーカイラM30』。
我々のこうした真面目な取り組みが、今回日産自動車の協賛を得ての、正式な
届け出というカタチとなって表われている。
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(注・この当時の運輸省の判断は認可ではなく、「届け出」が正式な見解)
僕も久々に読んで見たんだが、今読んでも結構まともで、ホントこれしかない
よな~と思ってしまったが、今読んでいる人はどう思うのかな~・・?!と。
もう一つ大事なことが含まれているのだが、最早お分かりだろう・・・・・
そう、ここでまた一見マイナスに見えることがプラスになったことだ・・・!
「ハルトゲスカイライン」の構想が、日産自動車の判断で闇に消えた事によって、
トミーカイラがデビュー出来たのだから、反対に感謝しなくては、と・・・。


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