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2008年4月24日 (木)

クルマお宝話(46)「ZZ・幻の430台」・Ⅱ

前回からの続きをお話しよう!

ご存じのように、この資金を元にイギリスでの生産が始まった!

日本国内でも認可作業を進めていたのだが、例の如く運輸省(当時)
の対応は膨大な資料を要求し、その上、結末がハッキリしない。

そんなことで、同時に認可作業を進めていたイギリスで生産する
ことを決めた。

英国内に、市販の為の認可作業と、月産12台を3年間続けられる
生産設備を持つトミタオートUKを設立した。

430台を消化するには、月産12台で3年掛る計算になるが、
現実的には、生産がスタートした直後の数か月は、月産12台とは
いかない。

その上、レーシングカーではなく、市販車なのだから、
途中での設計変更や、歩留まりの変更は簡単にはできない!

だから市販車として生産するためには、最初の基準が大事なのだ!

やはり最終仕上げの問題、塗装の問題など、大きな問題が次々と
出てきたが、今迄チューニングカーを生産してきた実績と、
世界一基準が厳しいと言われる国内自動車メーカーとのビジネス
経験が役に立った!

こうして全ての問題をクリアーして、最初のトミーカイラZZを
納車したのは、発表から既に2年ほど経っていた!

やっと順調に生産のペースが上がって来たとき、突然、根底を覆す、
とんでもなく大きな問題が起きた!

・・・以前に運輸省(当時)は色々問題だらけだと書いたが!

その根底を覆す大きな問題とは、納車開始後から2年ほど経った、
1999年4月に運輸省令による保安基準の改正が施行された。

改正内容・・(これまで少量生産車の衝突基準はEU適合により
       免除されていたが、4月生産分から、より厳しい
       米国基準による前面衝突実験が必要となった。)

この法改正は、英国生産のトミーカイラZZだけでなく、英国で
生産されている、有名自動車メーカーの少量生産車も日本への輸出が
できなくなった。

改正後の保安基準をクリアにする為には、設計変更が必要となる!

エアーバックを付け、衝撃吸収テストの為にフロントとリアを延長
すればデザイン・コンセプトが大きく変更になってしまう。

本来、トミーカイラZZは運動性能を高める目的でフロント、リア
共に最小限のオーバーハングにすることを、デザイン・コンセプトと
していた。

本来のコンセプトを変更すれば、「ZZ]ではなくなってしまう!
そのうえ衝撃吸収テストの莫大な費用により、販売価格も上がる。

さんざん検討した結果、いさぎよく生産中止を決めた!
そして、この問題をすべてクリアした次期車両の開発を同時に決めた。

それが「トミーカイラ・ZZⅡ」なのだ!

0424

ところが、この運輸省令による保安基準が同年の9月に,朝令暮改の
如くたった半年で、また元通りのEU適合で良しとなった。

信じられない出来事だが、外圧に弱い日本の運輸省が、外圧に屈し、
元に戻したと聞いているが・・・!

だが、時すでに遅し、イギリス工場は閉鎖していた。

この運輸省の朝令暮改の如き出来事を、テレビ朝日系のニュース・
ステーションが特番を組むからと取材に来た!

この番組の中で、トミタ夢工場がイギリス工場の閉鎖によって損出
した4億円を、国はどう保証するのかと報道していたが!

そんなもの未だに電話1本ない。

・・・"もしも"その運輸省による法改正の茶番劇がなかったとしたら!

間違いなく、「トミーカイラ・ZZ」を430台生産していたと思う。
なぜなら、それだけの注文書を既にそのとき手にしていたのだから!

総生産台数は220台程、国内登録台数206台で幕を閉じた!

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コメント

なにかの雑誌についてた「トミーカイラのすべて」の裏表紙でZZⅡを知りました。
今の愛車の心臓を積んだこのデザインにかなり興味を持ちました。市販されてたら・・・新車では私なんかには到底買えそうにないかもしれませんが、物凄く欲しがったでしょう(笑)
実車、見てみたかったです。

投稿: 今日 | 2008年4月24日 (木) 21時58分

トミーカイラZZが生産中止された後も、ZZの後期型とガライヤを製作したBTL社が、
ZZをデモファイして「Leading Edge」と言う名前で製造し、
イギリスでは、販売されていたみたいでしたが…

1〜2年程前に販売は終了したらしく…?
昨年BTL社のMike Rawlings氏に、その事についてメールで問い合わせした事があります。

それで返事メールをいただきまして…その内容は…
日本でもまだ?ZZが売れる見込みがあるなら、
工作機械を所有している人々(部品メーカー?)に話しかけてみる…
また「無限」とも取引関係があるので、
ホンダエンジンを搭載して、年間25台生産できるとの事でした。

投稿: ヤス | 2008年4月25日 (金) 08時29分

今日さん、ご存じのようにZZⅡの後継車はRS-01として一応、完成はしましたよね・・・!

ヤスさん詳しいですね!
その後のイギリスのことは余り知らないですよ、僕は!
モディファイ後のクルマはイギリスで結局、何台製造したのかご存じですか?!
僕が知っているイギリスのZZは、トミタオートUKが残りのパーツを使って最後に造った10数台だと記憶しているのですが!

投稿: 富田義一 | 2008年4月25日 (金) 13時47分

そんなことがあったのですか・・・
絶句です・・・
詐欺のような話ですよね。
なのに、今もなお精力的なご活躍には脱帽ですm(_ _)m

それにしてもかっこいいですね!トミーカイラ・ZZⅡ!!

投稿: さわ | 2008年4月27日 (日) 17時36分

運輸省の茶番劇が無かったら
北区在住の私は今も夢工場の前を
黄色の25Rで通りすぎている・・・

投稿: ザクレロ25R | 2008年4月27日 (日) 22時53分

僕の答えを今日のブログに書きましたよ!

投稿: 富田義一 | 2008年4月28日 (月) 20時13分

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