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2007年12月10日 (月)

クルマお宝話(10) クルマ造りの原点

僕が生涯を通じて一番思い入れのあるクルマ!
それは“アルピーヌA108だ!
このクルマは良く知られているA110ベルリネッタの前身で、
欲しいとか、乗りたいとか、と言った思いではなく、
クルマ造りのキッカケを与えてくれた原点がこのクルマにある。

このクルマが僕に大きな夢を与えてくれた!

この話は904GTSより数年遡った独立3年目ぐらいだったと思う。
35年以上も前になるが、アルピーヌA108クーペを手に入れた。

アルピーヌA108

1963年製のシルバーグレイの地味なクルマで、
ノーマルのスチールホイールに細いタイア。
A110では特長的なフォグランプ一体式のデザイインだが、
このA108では取ってつけたような感じのフォグランプで迫力がない。
エンジンもルノー・ドルフィンのなんの変哲もない998ccのOHVで、
馬力も70hとおとなしいが、車両重量は700kg弱で非常に軽い。

見た目があまりにも貧弱なので、すぐにホイールの幅を広げ、
タイアのサイズを太くして、車高もすこし下げた。
ステアリングとミラーを交換し、フォグランプを取り外して、
キャブレターのジェットも少し大きいヤツに交換したら、
多少は迫力が出て、僕の好みに近くなった。

アルピーヌA108

ほんとはA110の1300Sが欲しかったのだが、
輸入元で調べたら日本に正規では一台しか入っていないとの事。
当分、持ち主も手放す気はないとのことなので、
あきらめて数台はあると聞いたノーマルを探していたのだが!

だけどこの「アルピーヌA108」は何かを考えさせてくれた。

それまではカタログデータを見て、馬力の大きいヤツが断然
走ると決め付けていたが、それは間違いだと教えてくれた。

はじめて乗ったときに印象が“ガラリ”と変化した。
「結構走るやん!」が第一印象。
ヒラリ、ヒラリと軽やかな身のこなしが気持ちいい。
絶対的なパワーは全くないが、車が軽いと実感できる。

このとき、車にとって軽いことがいかに重要か分かったような気がした。
このときの体験が20数年後のトミーカイラZZに生きてくることに!

ある時、その頃いつも遊びに来ていた林君と比叡山のふもとから
琵琶湖に通じる峠道に、このアルピーヌA108で走りに行った。
峠の途中でクルマをとめて、アルピーヌのボンネットやエンジンフード、
ドアの取り付けなど、隅からすみまで検査官みたいに覗いて見た。

「こんなんやったら造れるやろう!」が二人の一致した答えだった。

この先、林君は先進的に、僕は古典的にと別々のクルマ造りに、
思いを馳せることになるけど、多分この辺りから薄っすらと
クルマ造りの思いがインプットされたのだろう!

それから10年ほどの時が経った。
そのころ、国内に1台か2台しかないと聞いていた
アルピーヌA110・1300Sのイエローを手に入れた。

アルピーヌA110・1300S

このことがアルピーヌA110への想いを再燃させた。
フランスで走っているアルピーヌA110を全部、
日本に持って来るぐらいの勢いで火がついた。

アルピーヌA110

このとき既にヨーロッパの仕入網を確立していた。

高島屋外国自動車部の顧問としての立場もあったので、
パリ髙島屋を基点に調べてもらったところ、
このクルマは夏場のバカンス前にしか売りにでない、
希少なクルマで、個人売買でしか手に入らないことがわかった。

要するにクルマを売ったお金でバカンスに行くか、
バカンスに行くために家族が大勢乗れるクルマに乗り換える
かの何れからしい。

当時のフランス人のほとんどが7,8月は夏期休暇で、
少ない人でも1ヶ月、多い人は2ヶ月近く休む。

それならと6月と7月に集中して、新聞や雑誌の広告に
「アルピーヌA110の極上車を求む」と出した。
「アルピーヌA110捕獲作戦」と名付けて日本から陣頭指揮を執った。

アルピーヌA110

いま思えばワクワク、ソワソワの楽しい思い出だ!

おもしろいエピソードがある。
どのアルピーヌの持ち主も「自分のクルマが世界一だ」と必ず言うのには
閉口した、とフランス語が堪能な仕入担当の日本人が言っていた。

例えば「オレのクルマはホントに間違いなく無改造で極上車だよ」って
わざわざノルマンディーまで片道500キロも走ってクルマを見たら、
バリバリの改造車でオーバーフェンダーにシャコタン、程度も良くない!
そんなことも隋分あった。

それでもフランスと西ドイツの二つのルートで併せて70台以上探し出した。
結局20台ほど特に程度の良いA110を買い付けることが出来た。

このあと日本で、結構アルピーヌA110ブームが起きた。

アルピーヌA110

ゴルディーニエンジン

アルピーヌA110cockpit

アルピーヌA110red

アルピーヌA110

アルピーヌA110gold

アルピーヌA110orange

アルピーヌA110white1

アルピーヌA110white2

アルピーヌA110レース仕様

アルピーヌA110レース仕様リア

アルピーヌA110レース仕様エンジン

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