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2007年12月30日 (日)

クルマお宝話(15) スーパーカーブームII

1977年頃を頂点としたスーパーカーブームは僕が丁度30歳位で、
その後もまだまだブームは続いた。

平日でも、学校が終わった3時ごろから毎日100人以上の子供が、
スーパーカーを目当てにお店だけでなく、自宅のガレージにも子供が
押し寄せた。


自宅兼スーパーカー倉庫

ピーク時の日曜日など、近畿一円から300人以上の子供が来た。
みんな必ずカメラを持っている。

ある時、一人の子供だけカメラを持っていなかった。
聞けば家にカメラなどないと言う。
僕は偽善家ぶって「これ持って行き!」とショウルームに招き入れて、
新しいフィルムを入れたカメラごと手渡した。

いま思えば自分の子供の頃とオーバーラップしたのかもしれない。
なぜかハッキリと覚えている。

もう一つの記憶は、自宅の一階をスーパーカーの倉庫にしていたから、
3歳の僕の息子がカメラを持った子供たちを掻き分けて得意満面、
我がもの顔で倉庫に出入りするから、怒鳴りつけたことがある。

これも、いま思えば少し歪んだ教育で、何も分からぬ小さい息子に
申し訳なく思う。

この頃の僕は仕事も私生活も至極順調で波に乗っていたから、
京都弁で言う「へんこつ者」!
要するに少し生意気な自信家だったと思う。・・・・・反省!

思い入れのあるスーパーカーの思い出は沢山あるが、
一号車のクンタックが船に乗っている間中、指折り数えて
首を長くして待っていたのは強烈な思い出だ。


ランボルギーニ・クンタック

その一号車のクンタックを神戸税関で通関したとき、
新聞社が取材に来て大変な騒ぎに!
あくる日の新聞にニュースとして掲載された。


ランボルギーニ・クンタック

鮮やかな赤い色のクンタックの一号車に初めて乗った時の
感触はいまだにハッキリと記憶にある。


ランボルギーニ・クンタック

スプリングの効いたクラッチ、重いアクセル、どこまでも伸びる
エンジン回転数、街中はセカンドギアですべて事足りる!
その上、あのライオンが吠えるのとそっくりなエクゾーストノート!

そのクンタックで走っているときはいいが、一旦止まったら人垣で大変、
人目のない所を探すのが大変だった。


ランボルギーニ・クンタック

名神高速に乗り入れたとき、セカンドで160kmまで引っ張って
感激したのを思い出す、そんなクルマ今までなかったもん。

お次は、デトマソ・パンテーラGT4
このクルマは本当に思い出深いストーリーがある。


デトマソ・パンテーラGT4

このクルマをオーダーした人は、当時60歳を過ぎた大変な紳士で
偉い方だったが、僕のお父さんのような人でもあった。

年齢の差など関係なくクルマの話で、夜を徹して語り明かした
こともある。
平気で何人も大臣を連れてきて僕に紹介をしてくれるのだが、
ガキの僕の方を立ててくれるから、最初は緊張し恐縮した。
その内慣れっこになって親しくなったが!

生意気な僕は、最初にその人がGT4を欲しいと言った時に、
このクルマは完全なグループ4のレース用で400HPもある。
マニアルミッションだしクラッチも強化されていて、
その上、ダウンドラフトの4連キャブだからエンジンを
掛けるだけでも大変なことだと言うような事を言った。


デトマソ・パンテーラGT4

結局、「それならパンテーラGTSを1万キロ以上お乗りになったら
オーダーします」という事でGTSに乗ってもらった。
ノーマルと言っても新車のパンテーラGTS!
無論マニアルミッションだしクラッチも相当重い、
それでも紳士のお父さんは一年で一万キロをクリア!


デトマソ・パンテーラGT4

一年後、このクルマのオーダーのためにイタリアのデトマソ本社に行った。
年に4、5台しか造らないGT4のデリバリーは一年近く先になると言う。

それでも、こんなクルマを日本人がオーダーするのだからと驚いて、
歓迎してくれ、出来るだけ早く造ることを約束してくれた。

歓迎のしるしとして、僕に試乗させると言うので最初は助手席に乗った。
この時の試乗は、僕のクルマ人生に於ける怖い思い出の三本の指に入る。


デトマソ・パンテーラGT4

運転手は自らレーシングドライバーを名乗り、クルマはGT4!
デトマソの本社の前からフルハーネスのシートベルトで公道へ!
いきなり全開!・・・・・いくら“ド田舎”とは言え公道だよ~!
ぶっ飛んで、びっくらして、絶句した。
これでも自動車メーカーかよ~!・・・・・信じられない。
細い田舎道を200kmでぶっ飛んで行く!・・・凄いより怖~い!
あとで僕が、「もし対向車が来たら確実に激突するね」って言ったら
「 大丈夫、畑に飛び込めばいいよ!」だって!

現に何回も畑に飛び込んでいるけどパンテーラは壊れないよ!って
自慢してた。・・・・・呆れて言葉もなかったけどやっぱりスゴイ!


デトマソ・パンテーラGTS

次回は僕のスーパーカー失敗談を!

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コメント

 なんとも凄いお方がいらっしゃったんですね。

 今年蒲郡でお会いでき本当にありがとうございました。
どうかよいお年をお迎え下さい。

投稿: tkVOXY | 2007年12月31日 (月) 23時01分

今年もよろしく!

投稿: 富田義一 | 2008年1月 8日 (火) 15時48分

はじめまして。京都市在住のdorappeiと申します。
このパンテーラGT4の運転席に乗せてもらった事あります!。
恐らく小学4年生くらいでしたので運転はしておりませんが(笑)。
今でもこのお宅よく覚えております(北区ですよね?)。

つい懐かしくなって書き込みしてしましました。

投稿: dorappei | 2011年4月 6日 (水) 13時46分

そうですか、持主のN氏は素晴らしい方で、歳は離れていましたが大の仲良しでした。僕も懐かしく色々思い出しました。ありがとうございます。

投稿: 富田義一 | 2011年4月 6日 (水) 16時20分

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